映画日記、ただし日付はてきとう/渡邉建志
。音。
2006/5/13 佐々木昭一郎「四季・ユートピアノ」
95分間とは思えない息苦しさ、日本のドラマとは思えない自然さ、同じく素人を使うことで有名なロッセリーニとかブレッソンとは違って、ここに「監督」の存在を感じない。ただ一人の大学生、中尾幸世の「存在」ばかりが神性を帯びている。演技を超えている。そこにカメラなど無いように、超人的に、すっとそこにいる。ひたすら自然に、笑ったり、泣いたり、不気味に目を開いたり、歩いたり、ジョークを言ったり、はにかんだりしている。彼女のすべてが、自然に目の前にある。「撮られて」いない。超人的。
2005/8/14 ビクトル・エリセ「エル・スール」
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