それ、/hope
一緒に
いつだって迷いのなかった筈の君は、今日、初めて【途上に暮れる】というコトバの意味を知りました
(もうすぐ雨が降ってくるよ)
誰かの声
そんなコトを、そんな君に、教えちゃ駄目なのに…
いつだって世界は君を赦さない
そして君は少しだけ泣いた
ざらざらの白い壁に、頬を寄せて、暮れてゆく【それ】を見つめながら
僕といえば、
雲ひとつない空の下で傘をさしていた
こんなキモチを残しておきたいから、季節だけが通り過ぎていた
ふらつきながら繰り返した
呼吸のように繰り返す柔らかい風は、誰かの口臭と同じで、とても隠しきれそうにもないんだ
傘だけじゃ、隠しきれない
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