書簡/soft_machine
 
三十度
蜃気楼の日
アルタミラで復活し
お前と一緒に音楽を聴くと
不思議な一致がたくさんあって
ケニ−・ドリューの技の衰えも
山鳴りとなまめかしく混ざり
記憶の中では
かえって瑞々しいくらい

寂しいか 這い出る瞬間
懐かしい の問いに包まれる

 ・

擦り剥けた膝からのぞくの骨
唾をつけてなおす高校生の人
幕前で震えながら台詞を詠って
私だけに眼差しを向け演じ続けたこと
知ってるわ
みんな嘘だってこと
嘘が実はやっぱり本当で
本当の答えはこれっぽちも嘘にできないって
あなたのことばと
わたしのことばで
たったひとつのいのちになるの
訳はしらな
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