骨と首の話 その4(完)/hon
 
取り除きたいんだよ。私は今、やがて訪れるだろう最期をさほど恐ろしいとは思わないが、つまり長く旅をしすぎたせいだろう。……おっと、そこだ、その道を右手に進んでくれ」
 日は落ちて、辺りはずいぶん暗くなりつつあった。私たちは商店街をずっと前に抜けて、今は住宅地の中の道を通っていた。休まない、と先ほど言ったものの、さすがにそろそろ休憩をいれようかと考えていたところだった。
「ここからは今までとは違う。明らかに夢に出てきた風景のようだ。どうやら、道すじがはっきりと見えてきた」彼は断言した。「目的地が近い」

「よく周りを見てくれ、何かないか」と、彼は言った。
 そこは住宅地の一角の狭い十字路だっ
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