骨と首の話 その4(完)/hon
たら、エピソードとしてきれいに終わりということになるのだろう。そこで約束された時間は美しく凍りつき、作品が完結した以降の時間は存在しない。だが、現実はそういうものではなく、ひたすら終わりなく延々と続くのである。
そこから、駅までの道のりは驚くほど短かった。来るときは、かなりの距離を歩いてきたように感じたが、ずいぶん遠回りをしていたのだな、と思った。
ホームへの階段を上がると、ベンチに制服姿の学生が前かがみになって座って本を読んでいた。
来るときに見かけた学生と同一人物に思えた。まさか、あれからずっとここで本を読んでいたというのか。
前かがみの姿勢も、最初に見た時と同じで全く変わ
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