骨と首の話 その4(完)/hon
。もし、それで終わりだとすれば、あまりに急で、あっけなさすぎる終わりだったからだ。両手でぺたぺたと地蔵の首を触ってみたり、その首に「もしもし」と囁きかけてみたり、そこらをうろうろしたりしていた。しかし、もう何も起こらないようだった。これで終わりなのだろうか。
やがて私はその場を離れた。他にどうしようもないではないか。まだ、やり忘れたことがあるのではないかという思いが残り、きょろきょろと後ろを見返りつつ、釈然としない気分で、折り畳んだ風呂敷を手に、駅へふらふらと歩いていった。何ともだらしがなく、しまりのない結末。
これが映画であるなら、このへんでエンドマークが出て、スタッフロールでも流れたら
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