骨と首の話 その4(完)/hon
 
ながら、確実に目的地に近づいているのだといえる」
「そうですか、てっきり私たちは道に迷っているのかと思いました」と、私は言った。
「むしろ、体の方は大丈夫なのか。休まず歩いているようだが」
「ええ、やはり足が痛みますが、日も落ちてきましたし、真っ暗になるまえに目的地についた方が良いと思います。もう休まずに最後まで行ってしまおうかと」
「まあ、無理はしないように」
 私は小さな商店街を通っていた。住宅と商店とがごちゃごちゃ入りまじって続いている、終端がはっきりしない中途半端な商店街だった。夕方、時間的にそのあたりを通行する人はさして多くはなかったが、学校帰りの学生たちが何人か固まって歩いて
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