10月/んなこたーない
イン「いじめ事件の余波 ネットのリンチ」
森鴎外「渋江抽斎」は、「大阪毎日新聞」「東京日日新聞」に連載されていた。
ぼくには、次のような疑問が思い浮かんでくる。
当時の新聞の読者層は今に比べて教養が豊かだったのだろうか?
いまの新聞連載小説などと比べてみれば、「渋江抽斎」は明らかに難しい。
当時はみんな、あの文章を普通に読んでいたのだろうか?
その答えはぼくには分からない。ひとまず、鴎外が語学の達人であることに間違いはない。
明治、大正あたりまでの教育を受けた知識人たちのことを思ってみるとき、
ぼくはかれらの教養の高さを強く意識してしまう。
現在の作家の多くは白文はおろか
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