滑走路/狩心
私の体、そして心に到達するだろう
両者共に振動は強くなり、爆音を上げる
私は感じた
内側の列車の方が速い事を
そして、様々な顔
すべてを背負って、この一点に向かって来る今
私の傍らで見守る主治医が
手、足、腹部、胸部、そして前頭葉に
極太の注射を何百本も打ち込む
注入されていく液体、人々の声
私の体は透明になっていく
外側で爆音を上げる列車は
私の体、十メートル手前で
永遠とも思えるような、静止の瞬間を見せた
その列車は演説している
私を轢き殺す許可を得ようと
その列車は歓喜している
私の体をバラバラにする興奮と快楽について
時間が動き出すと
既に私の
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