ボブソン/はらだまさる
ボブソン、
ふたごのおたまじゃくしが
何日も、何日もかけて
小さな川を
横切ってゆくよ
階段で下りて来た
あんたがくれた学習机から
社会の教科書、アンジュール、
ジョン・リー・フッカーのブルース、
三面記事の暗いニュース全部
道端で眠って
何の夢を見ていた?
十月に、二階から下りて来た
ゆぶゆぶと
カーリーガートや
ダシャシュワメードの朝の近さで
あんたの世の中は
渦々としている
少し気味が悪くなって
一度だけ振り返って家を出た
午前八時、湿度六十四パーセント
セロニアス・モンクばりに変調してゆく
大津駅の公衆便
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