土手のギシギシと格闘する前に/佐々宝砂
思う。
ところで、こうした作業は詩的だろうか?
私は工場で働く。えんえんと、単調な作業をラインでこなす。こなしながら詩を考えたこともある。ときおり私は販促マネキンとして働く。ソーセージや餃子を焼いて客に「いかがですか?」と呼びかける。客がいないと暇なので、そういうときには詩を考えてみたりもする。そんな事実は「詩的」がとうかなんてこととは関係ないんだろうなと思う。まあひらたい話、詩的でも詩的でなくてもどうでもいい。私が詩人であってもなくてもどうでもいい。ただ私は私の詩集を売りたいので、わりと積極的に「私は詩人だ」と公言する。だってせっかくつくったんだから、恥ずかしくたって売りたいじゃない
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