愛の告白/桜 葉一
 

僕はばらばらになった文字の中から
慌てて言葉を取り出した

「かとう!」

名前を呼ばれた春奈ちゃんは僕のほうを振り向いた
でもその言葉に続く言葉が
バラバラの文字のなかから見つからない
焦って焦って何度も文字を並べ替え整理しようとする
残った文字をなんとかつなごうとする

『 あ く  さくっ    なこ 
き  ぼ      き て
つ  が の と たいす
い ですど あ  だだ  』

春奈ちゃんの戸惑いの目が僕を見つめている
彼女の口が「なに?」と呟くその一瞬前に
散らばった文字の中に
キラリ光る文字列を見つける
その文字を取り出し春奈ちゃんにぶ
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