愛の告白/桜 葉一
 
にぶつける

「あぼがどくさくってきついです!」

何とか科白になってると僕は安堵する
緊張のせいで何を言ったかまではもう覚えていない
僕は残った文字を頭の中に思い浮かべた

『        なこ 
        き 
   の と たいす
  あ  だだ  』

ばらばらなので整理をする

『 なた こ  
 あ の  と だ
   すい だ き 』

春奈ちゃんは動揺した素振りで辺りを見回す
あまり待たすのは良くない
焦って僕は必死で言葉を繋ぐ

「あなたのことだ!」

どうにかまた言葉になる
そして残った文字を思い浮かべる

『すいだき』

これだ!
何はともあれ
もっとも伝えたかった言葉が一番最後に残った
何とか告白はうまくいきそうだ

僕は一度息を整える
そして最後の言葉を並べ替え口にした

「だいすき!」
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