愛の告白/桜 葉一
『あなたのことがだいすきです
どうかぼくとつきあってください』
何度も何度も反芻し
何度も何度も繰り返し紙に書いたその言葉
それは大好きな大好きな
加藤春奈ちゃんに告白するための科白だった
初めてする告白
不器用でもいい
言葉足らずでもいい
フラれたとしても
いや
フラれるに決まっているけど
なんとしても僕の好きだという気持ちを伝えたかった
『あなたのことがだいすきです
どうかぼくとつきあってください』
告白することを決めたその日も僕は
何度も何度も同じ科白を頭に描いていた
何度も何度もその文字の羅列を覚えていた
放課後
そのチャンスは
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