黒猫ストリート/秋也
 

この台詞で嬉しさ隠せず
僕は照れ笑い。
叶わないけれど、二人で公園ゆっくり歩いて、黒猫探して写真に収めてみたい。
きっと彼も気ままだから、僕らみたいにわがままで、
寂しいくせに、澄ましている。
彼がいたら、
風景に
公園に
物語がスッと流れるんだろ。
そうそう、来ない日をいつか必ずと妄信して、飼い猫のアリスを黒く染めることはやめるよ。
可哀相だし、僕にとってもそれはすごく都合悪い。
アリスが懐かなくなるのは寂しいことだ。
だから、檻におさまった鯖虎のまんまのアリスに、僕の親指を重ねた、いい加減な写真を君にあげる。
まったくもって、意味不明で、不愉快で、気味悪く、嬉しくな
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