黒猫ストリート/秋也
くないだろうけどね。
ハッピーバースデイ マイ クイーン。
永遠に綺麗で、少女のままで。頭の片隅に真っ黒な猫を、君に終わることのない素敵な物語を。
お願いなんだけど、頭の中にいる彼、たまに抱かして。
代償はきちんと払うから。
どこかの公園で君に会った黒猫と、まだ君に出会っていない黒猫がニャーと懇願するように鳴く。
僕の頭を下にむかって、彼らがスッと通る。
そろそろ、アリスも起きる時間。
猫を黒く塗ることは、
朝焼けや夕焼けを、コンピューターや絵画で偽装するようなもの。
「イッツァ ナチュラルフェイク。」
「だから。」
ほら、またイラッとして笑った。
君と僕で、黒猫がいつだって、僕らがとっくに終わったはずの道を通る。
限りなくゆっくり。しっとりと黒く。
伸びなんか、余裕でかまして。
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