十二の頃/蒼木りん
 
、日ごろの違和感や小さな不満を口にしたことが引き金で
友情が非情になることもある。

「幻の殺意」という言葉を 朝のテレビで耳にした。
なんとなく 解かる気がした。

私が十二歳の頃、幼馴染みの友達と 興味の対象の違いから
疎遠になり始めた。
彼女は 別の趣味の合う友達と仲良くして 私とはそっけない会話しかしなくなった。
当時、小さないじめのせいで 私には彼女くらいしか友達と呼べる人がいなくなっていた。
でも、彼女のその そっけない態度に
『どうして?わたしじゃだめなの?』
という寂しさとも 苛立ちともいえる気持ちが渦巻いた。

そして、
『あの子なんか いなくなれば
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