十二の頃/蒼木りん
れば..』
彼女の友達に対する『幻の殺意』を 漠然と想像していた。
当時流行っていた 口裂け女やこっくりさんのように
もし、その『幻の殺意』に支配されてしまったなら..
糸は 張り詰めれば 切れてしまう。
それが生理的作用で 急激にそうなってしまうこともあるかもしれない。
最近は いろんな角度から創造できる力が 足りなくなっているのかもしれない と思う。
出口が ひとつしか見えないという思い込み..
空想と現実の天秤のバランスが ゆらゆらしているくらいが いいのかもしれない。
十二の頃、
自室の机の上は 空想で悲しさを紛らわす場所だった。
家の 家族のいる居間に行けば、超の付くリアルが正気にさせた。
そして
正気のふりを していたかもしれない。
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