骨と首の話 その3/hon
 
事に疲れきって電車に乗ると、目の前にはこんなにも美しい尻がある。すると、周囲の状況を忘れて、思わず彼はふらふらとむしゃぶりついてしまうかもしれない。その時、サイレンのような悲鳴が響き渡り、彼は周りの男性客に捕まり押さえつけられるだろう。彼は駅員に突き出され、警察に引き渡され、書類送検された後には、社会からはじきとばされる……。自業自得といえばそれまでのことだが、そこはなんという危険な渦巻く海、スキュラとカリュブディスの海であろう! まったく美しい尻だった。
 私はK駅で降り、電車を降りた人の流れが絶えるまで、しばらくホームで立って待っていた。
 そうして待っている間に、私は風呂敷を少しゆるめて
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