骨と首の話 その3/hon
はどうなるのですか?」
「分からん」風呂敷の中から彼は言った。
「分からない?」
「それにしても、ここは空気が新鮮で気持ちがいいな。布ごしではあるが、あたたかな太陽の光も感じられる」
「ああ、たしかにそれは――」私はあの社の澱んだ空気と暗闇を思い出した。彼は動けないまま、そこに何日も篭っていたのだ。「そうなんでしょうね」
「そこに何があって、そこで何が起こるかは、私にも分からない」彼は思案深げに言った。「だが、そこへ行けばどうにかなるということだけは、たしかに分かっている」
何だか頼りない返事である。私はゆっくり立ち上がり、駅へ続く道を再び歩きだした。関節の痛みはじくじくと熱を帯び、
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