骨と首の話 その2/hon
ているだろうことは状況から察せられたが、しかし……
私はこの状況に対して、現実的にどのような対処を取れるのであろうか、考えてみる。警察、または救急、あるいはその両方に連絡して処置を任せるのがやはり常識的だと思えたが、事態そのものが非現実の色彩を強く帯びており、果たして「常識的」というのが私にとってどれほどの救いになるのか疑問ではあった。人間社会は喋る生首というものを、どのように扱うだろうか。
「それで、そなたに頼みがある」と、彼が言った。
予想した通り、彼は私に助けを求めている。「何でしょう、私に出来ることであれば何でもしますけど」と、私は答えた。
「すぐそこに、T川を横切って通ってい
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