骨と首の話 その2/hon
 
のが消尽しつつある。私を前へと運んでいる、私自身の肉体が支えきれなくなり、崩落してしまう。
 目的地へたどり着いて体を安らげるのが先か、身体が消失して動けなくなるのが先か。雨は激しさを増し、私は泳ぐようにして先へと進んだ。事態は時限式の競技のようになっていた。
 川のそばへ着き、前方に目指す祠が見えた。私の勘はどうやら正しく働いたようだ。だが、私の身体は原形をとどめないほど崩れていた。
 最後は、のたうち這い回るようにして、強引に進んでいった。骨はもはやひとつひとつではなく、ブロック単位でゴトリゴトリと外れて、分解されて、転がり落ちていた。力をふりしぼって祠に入り、社の扉を開き、そこへもぐり
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