骨と首の話 その2/hon
 
れるような、かつて味わったことのない種類の痛みに襲われた。
 体の中で骨と骨が接合している接着力が失われ、外れだしたのである。
 次々と体内で外れていく骨たちは、重力によって下へ落ちていき、手や足の指先に溜まっていった。指先は豚の腸詰のようにパンパンに膨らんで、紫色に染まって腫れ上がった。
 肉の内側からの鋭くひどい痛みがあり、歩くのを困難にした。私は焦った。どこかへ身を置かねば。どこへ? 私は長い旅の勘から方向の見当をつけて、我が身を横たえ、隠すべき場所を求めて進んだ。気は急いて早く歩こうとするのだが、体がついていかず、節々が悲鳴をあげていた。
 痛ましい手足を引きずりながら「父よ、どう
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