誰かのことばかり考えている/吉田ぐんじょう
ンタクロースみたいな恰好で
歩いて五分のコンビニへ向かった
入った瞬間
財布を忘れたことに気付いた
・
静かな夜には
誰かを傷つけていやしないか
不安になってしまう
自分ではそのつもりがなくとも
誰かを傷つけてしまうことって
結構あるから
わたしは布団の中で
まんじりともせずに
誰かのことを考える
そうしてたいてい
そのまま朝を迎える
だから
翌日は常に寝不足だ
秋の夜長は特に辛い
そのことを考えると
今からため息がでる
・
ある日不意に気付いたのだが
わたしはいつも一人だった
歩くのも
たべるのも
ね
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