文体について、経験について/んなこたーない
 
とみるべきか、あるいは、文学が哲学化しているとみるべきだろうか。
おそらく正解は、互いの境界線が曖昧になり、
固有の領域を確保できなくなってきているというところだろう。

ぼくのような一般人には、もとより専門的な読みはハナから不可能なわけで、
そういう場合、ぼくは迷わず解説書のたぐいを手に取る。
しかし、どれとは言わないが、こういった分野の解説書のなかには、
妙に文体が文学しているものがあって、辟易されることが度々ある。
解説書が文学する、というのは、よくよく考えてみると、かなり異常な事態である。

   抽象的な文体を持った作家は、ほとんど常に感傷的である、
   そうでな
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