骨と首の話/hon
 
ると確信が持ててからは、拾うことをせずに跡だけをつけていった。
 それは地元の中学校の正門の前を通って、まっすぐT川の方へ向かっているようだった。
 信号を渡って(そこは事故の多いT字路で、向かいの歩道脇に設置されたコカコーラ社の自販機は衝突した車だかバイクの痕でベコンベコンに凹んでいる)短い階段を上ると、見渡す限り長くまっすぐ続いている舗装された河原の土手であり、ランニングする人や、サイクリングの人や、犬の散歩をする人などが行き交う遊歩道となっていた。遮蔽物のない天空のパノラマは大きく頭上に迫り出して広がっており、晴れた大気の視界は良好で、遠くの対岸に大型ショッピングセンターが霞んで見えた。
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