骨と首の話/hon
常にそのことを私に思い出させ、私の脳裏からその考えを振り払うことが出来ない以上、これは単にバカげたで済まされない脅迫観念の一種なのである。
次に私は首の話をする。
その日、あまり気乗りしない日課である散歩をしていると、道で骨を拾った。
最初になにげなく手にとったときはそれが骨であるなどとは思いもしなかったが、その小石ほどの白い塊をじっと見つめたり触ったりしているうちに、それが骨であることは確信できた。
人間の骨が? なぜこんな道端に?
私は目を上げて自分の前に続いている道路を眺めやったが、どうやらそこに同様の骨の欠片が「点々と」一筋の線を描いて落ちているようなのである。
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