骨と首の話/hon
と、職場の同僚から一度だけ言われたことがあるが、どう応対したものかちょっと困っていると、妙な沈黙の間が出来てしまった。それ以来、その職場で私の動きについて言及することは、何かひとつのタブーのようになってしまっている。
そうこうするうち私はひとつの抑えがたい恐怖にとらわれるようになった。
いつか道を歩いているときなどに、ガツンと関節にくさびが打たれたように固まってしまって、全身の動作が不能になるのではないか。
そうなったら私はさぞかし珍妙な痛ましいポーズの像として路上に硬直し、静止して立ち尽くすに違いない。
こんな心配はパカげた話とは思う。――そう思うのだが、間断なき関節の軋みが常に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)