おれも女に生まれたら、ワンピース着てみたいな/わら
 
ちには、かなしみをきく耳があり

ぼくたちには、かなしみをみる目があり

ぼくたちには、かなしみをつむぐ手があり


ぼくたちには、それを受け入れる心臓がある






ぼくには声はないよ
ぼくは、うたえないよ
ふるえるような音をきかせられないんだ

ぼくは字だよ
ぼくは詩だよ

耳鳴りを起こせやしない
かたまりだよ

そうなんだよ
いいんだよ





その女はさけんでいた

ねぇ、
もっと、きかせてよ

悲鳴のような歌声を
生きるための鼓動を



共感がいたみを和らげるならば
ぼくは、だれかのそれになりたい
[次のページ]
戻る   Point(27)