遅れてきた少年の一切合財(その一)/生田 稔
母と折り合いが悪くなる
西宮へ転居、アパートに住む、
29歳から30歳、
いつも自分の死を、誰もがそうだが
若死にすると思っていた、
絶望していた、
すべては空しいと悟っていた
それは十代から思っていた
自殺未遂数回
死にきれず、
だんだん、聖書に惹かれてゆく、
西宮のアパートを訪ねてくれた小笠原さん
すごい聖書通、熱心に習う
一年したら、聖書の言わんとすること
判ったような気に
未来は楽園、神の約束
予言は成就しつつあった
現代は末世
ハルマゲドンの滅び
1975年が予定年
研究に研究
確信するようになった
おおよそ30歳の年、8月27日
バ
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