素晴らしき哉 人生/北大路京介
を染めて照れていた
母親似の娘が聞いてきた 「ねぇ、私と どっちが可愛い?」
「聞くまでもない、答えは決まってる」と言った
「どっちなのよ」って問いつめる娘に
「さすがに近親相姦は まずいだろ」と返した
犬が俺のほうを向いて尻尾を振っていた
喉が渇いた娘に缶ジュースを買いに行かせた
視界から消えたところで 女子高生が見つめてきた
抱き寄せるよりも先に まわりを見まわしてみた
愛人らしき人影 そこへ犬が走っていった
それはまぎれもなく愛人で 犬が誰よりもなついていた
俺が感じた嫉妬の先は 犬なのか彼女なのか
「娘さんが もうひとりいらしたの?」 挨拶の次に出
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