素晴らしき哉 人生/北大路京介
 
に出た言葉
「隠し子なんだ」と微笑んだ俺に 「他にも愛人がいたのね」

 「すばらしきかな人生」 こう呟いて死にたい
 いま銃弾に倒れたとしても 素晴らしき哉人生



 娘がジュースを4本 抱えて戻ってきた
「犬のぶんまで買ってしまったけど ちょうど良かった」
 3人の女が 同じベンチに並んで座る
それぞれタイプは違えど まるで三姉妹のようだ

 幼い女の子が 犬に近づいてきた
恐る恐る犬の頭を撫でる 小さなおててが可愛らしかった
三姉妹の興味を その女の子が独占
愛人が俺に聞こえる声で言った 「子供が欲しくなったわ」


 「すばらしきかな じんせい」 こう呟いて死にたい
 愛の意味が わからなくても 素晴らしき哉人生
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