デュムーシェル博士の肖像。/クスリ。
 


蒼の写像に寄り添う漣の幻響に、冬の鋭角を揺るがそうとする微かな塵芥がふるふる、と、踊っている。

響きを見る僕の目は、細くしても尚流れ込む蒼色に浸食され、しばしばと機械の直線的な瞬きを余儀無くされる。
風に沈みゆく鼓動に、連れ流れるオイルの脈動がとくとく、と被る。
犇めく毛細血管を意識させる瞼が僕の前半を支配し、蒼に反射する瞳孔の収縮はロボットにとっての幼児性として僕の後半を支える。

僕は、おそらく誰かに造られた機械では無い、と、こそり、と、言ってみた。

狂気を装い、あるいは仮面としての狂気を纏う博士の冒された狂気性に反抗をするのだ。

機械である理由も整合性も思
[次のページ]
戻る   Point(2)