鉄軌分界点。/鯨 勇魚
 
卑怯な、自身。

遠い、は、よくみえて、
あれは船、波、街灯。
流れは。灯台回転光を瞳は反射してまばたきをしてしまえば、
細かくまばたきをしてしまえば。
銘々、よく満ち溢れはじめました。

かすかに見えるふたりの先。
綺麗に、ぼやけて落ちていく輝きへ唇音。かさねて、

ザタン タタン トタン トタン

時間の繋ぎが向こうの輪に触れて。
離れてく。
聞こえなくなる前に、
新しいが聞こえてくるんだ。

(虚ろ。うつろに睡魔は優しい。)

一瞬の大きな破音のように次からまた次から、
刻み込んで鉄橋から知る。
優しさで、傷つけました。

鉄軌分界点です。

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