鉄軌分界点。/鯨 勇魚
 


本当を、知りたかった。
見慣れた景色。夜でいても。
あの裏手の路地には、草。
黄色がたくさんの。
秋やら、光には、音があり、

昼間に笑顔したあとの大地への恵みと解釈する夜露の。あれは、

透き通っている。

色合いを変えて、それは、
紅葉の楓。透明性の秋。

桔梗色の想像。夜に見た夢という現実。
を、想像した、現実。

今、現在を、時刻を、ガランと伝えられて、深く被る、帽子。
もう少しで、着くのですよ。

鉄軌分界点を過ぎ。

漁り火は、綺麗だった。
窓の遠くにはもう、
見えないものを見つめて、
握りしめた。

(携帯電話は機能してはい
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