ディズニーとマクドナルドと劇団四季に命を狙われる男/カンチェルスキス
バスの本来の野性なんだよ。ところが、いつものオレはそれを抑えてばっかいるわけ。抑えてさ、しみったれた、本当だぜ、しみったれた何の面白味もない、生きてるのか死んでるのかわからんようなやつ、ま、そいつは生きてたりするんだけどさ、そんなやつらを乗っけて、しょうもない金をもらって、渋滞したら車内放送鳴らしてさ、ほんの少し遅れそうになっただけで、それだ、停まっちゃ進み、停まっちゃ進んでさ、また折り返してさ、停まっちゃ進み、停まっちゃ進んでさ。バカみたいだぜ。いつもオレは思ってるよ。心苦しいよ。バスに申し訳ないよ。本当は乗客なてんどうでもいいんだ。バスはバスのためにあるんだからさ。でもさ、最終的には、バスなん
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