連鶴/悠詩
 
ぞと飲み喉満つる

くちなはを飼ひ胸果つる



神無月

いといとほしき唇と

右手(めて)と左手(ゆんで)の結ばれし

連鶴忘れ給ひしか

数多(あまた)の御霊(みたま)奪ひたる

人作りしこそ神ならむ



神在月

か弱き紙を仕立てつる

右手(めて)と左手(ゆんで)ぞ聖(ひじり)なる

紙信ずるも裏切るも

そのくちなはと語らはば

明かし理(ことはり)いらへらむ



有明の

月より現(うつつ)名残り惜し

馬手(めて)と弓手(ゆんで)の{ルビ
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