連鶴/悠詩
 
ルビ咎=とが}をこそ

月に掲げさせまほしけれ

首吊る人の朽つ人の

縁(えにし)に罪を被せしか



暁に

芽吹きし鶴の羽開け

右手(めて)と左手(ゆんで)に掲げしは

もぬけの重き棺なり

千羽重なる鶴の群れ

されど瞳は重ならず

友は隣にこそありけれ




この思ひ永遠(とは)に果つるはなかりけり




連鶴の

誰(た)に習ひしか忘れしも

右手(めて)と左手(ゆんで)に刻まれし

貴(あて)なる鳥の影形

大地に萌ゆる命にや

神の言の葉聞こえざる





鶴の教へや忘れつる







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