連鶴/悠詩
 


闇病み窶(やつ)る

火箭(ひや)の魔来(く)


轟々と

轟々と

朦々と

朦々と







葉月燃ゆ

鶴脛(つるはぎ)燻(くすぼ)る幼子の

右手(めて)と左手(ゆんで)にその母を

求め煉獄うつ伏せど

心形ぞありがたく

千々に千切れて飛び散れり



蘇る

光捉へし兵隊の

馬手(めて)と弓手(ゆんで)に鶴嘴を

持ちて墓場を拵へる

現(うつつ)の奈落埋め尽くす

骸(むくろ)の御霊(みたま)煤となる

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