影で切りつける/カンチェルスキス
ンクのシャツの男が
働いていた。
帽子を取り
頭を下げると
帽子をかぶる。
それから暇なときは
片方の足に重心をかけて
立ち
たまにパチンコのことを
考える。
街路樹が燃えていた。
右折の車が
直進の車を待つ。
介護士の専門学校の看板の下は
ゴルフ道具を
売る店だった。
俺は太陽を見上げた。
恐ろしいほど
ぎらついていた。
恐ろしいほど
遠くから。
そのとき太陽が
俺に教えてくれたのは
すべては終了する。
老婆が信号を待っていた。
緑の普通の傘を
日傘代わりに差していた。
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