bird。/クスリ。
 
れは、過去に透ける「未来派」の混乱が放つ、儚い叫びなのかもしれないし、ただの気分だけかもしれないけれど。

不思議と秋の、巡る曖昧がカタンコトンと僕の位相を揺らす。

かろん、と、響く過去の脈動が、祖父の部屋で無為の刻を見る僕に宵の橙色を絡め深く深く沁みてゆくのだ。


セヴェリーニは暫く宵を語る。

「『武装列車』に乗る、記号めいた狙撃手の右手は夜のトリガーに指をかけ、撃たれるべく在る何かだけが、宵にリアルを刻んでいる。」

刻まれた記号のリアル。
それは虚構に肉薄する生存の履歴だ。

「太古の螺旋を継承する鳥の幻の激痛だけが、喪い続ける擬夜に生命を与える。」


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