代用人間への手紙/hoochie coochie man
 
交信で 毎分 毎秒 生み出され
 殺されてゆく
 
 『私とは他者だ』と 永遠を見つけた詩人は
 すっかり 言葉をあきらめて
 詩人という形は 太陽に溶け 海に流された
 代用人間とはそのようなものだ
 僕が僕を自覚したとき それはあなただ
 
 あなたがあなたを自覚したとき それはぼくだ
 『本当のことを言おうか?』という問いにはいつも
 『本当のことを言おうか?』と問い返さねばならない
 代用人間は語る
 
 終わりなきトートロジーが私そのものだと
 それはあなたがいることでぼくがいて
 ぼくがいることであなたがいるような
 生ぬる
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