Dead or Smoke 〜逃亡者〜/虹村 凌
 
たかわからない。
二人の周りには、チェーンスモークによる吸殻が、
数本転がっていた。
俺が「帰ろう…」と言いかけた刹那、
突然に例の警報機が鳴り出した。

「何だとッ!近くには無かったはずだッ!」
「おい見ろ!あの鳥、警報機背負ってるぞ!」
「何ィィィィィィイイイイッッ?!」
峰男が指差した先にいる鳩は、小さな警報機を背負っていた。
畜生、平和を運んでくれるんじゃねーのか!
オリーブでも加えてろッ!

俺は急いで立ち上がると、峰男を抱えて移動を始めた。
「セヴン…俺の事はいいから…お前だけでも…」
「馬鹿野郎!帰って煙草吸うって…」


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