天衣無縫/相良ゆう
わたしも昔 あなたと同じように 浮世にたゆたう 迷えるものでしたから」
羽衣を返すのは変わらずに惜しいことでしたが 舞と羽衣の名前は気になりました
名前を知らずには 至福の本質には触れられない
天女は昔 今の自分と同じく 浮世のものであった
という天女の言葉も手伝って
終には名前を教わるのと引き換えに 羽衣を天女に返しました
「ありがとう 約束どおり 舞の名前と羽衣の名前を 教えましょう」
羽衣を纏った天女は 天の羽衣を翻し 至福の舞を踏み 答えました
「此の舞の
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