夏の日の幻想達 十一/soft_machine
 
/いくら待ってもきやしない/仔羊の変わり果てた姿/ぼくは箸でつっついていた/誰かと指をからませるのにも飽きて/基盤がない思考こそ/最高のシェフだ/たばこでべたつく唾を吐いたら/ベビーシッターがなみだを堪えているのがわかったから/哀しい歌がきこえてきて/老人が老人の手首を掴む/それが子守唄だったら/墓石のドミノ/放射状に連鎖して/ボヘミアグラスに注いで満たす
あしたはきっと銀の匙ひとすくいの血

  *

醸すのはひとしずくの詩

あれは
透けるほど美しい青磁のようだった
白銀で薄く皮膜したカンバスのようで
コンクリートをくぐり抜けるガンマ線のようだった
残された記録の配列をた
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