夏の日の幻想達 十一/soft_machine
避けながら歩いている
ずぶぬれて
そのくせぽかんと開いた口に青空が拡がって
雲が千切れて両手の中を飛んでいく
見つめる無邪気な黄色い帽子が
やたら眩しいかけっこをはじめる
サシカイアだと言ってグラッパを一気に干しあがるから
星を握ってそいつの脳天に振り下ろしてみた
うわんと鳴いて
露店で大人が声をあげる場合
子ども達とさほども変わらない
ゆうべのジンに氷がとけて薄くなった笑いが絶えて久しい夜明け
生活だけが空になったシェービングフォームの缶に映りこんで
人影をモチーフにするには儚なすぎる国道沿いの静寂
*
毒を全部はきだして/野菜ジュースを注入/い
[次のページ]
戻る 編 削 Point(10)