灼熱の盆帰り/atsuchan69
 


 汗を含んだリネンの背広が、すこし重い。

 ホテルへ帰って早くシャワーを浴びたいと思ったら、
途端、はるか上空で雷鳴のような轟音がこだまし・・・・
見上げると太陽を背に レトロなライトニング?(F‐35)が現れた
遙々ロンドンからの聴きなれた声が脳内受信機へ届く
そそくさと私は右の耳穴を穿(ほじく)リ
約五センチばかり通話機のアンテナを伸ばした

 「休暇中に申し訳ございません
 「いいさチャーリー、どうせ想定内だったから
 「機体は、約三十秒後に着陸します
 「おい、まさか時代錯誤の戦闘機を今から操縦しろなんて云うなよ
 「ご安心を。旧式ながら一応は自動操縦機
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