灼熱の盆帰り/atsuchan69
 
(まず初めに言葉によって
  次に宗教によって

  そして金融とイデオロギーによって
 全地の民を分断したのは、他でもなく奴等だった
みたいな妄想を、また夢見ちまったゾ。

 「あー、仕事の疲れがダイブ溜まっているみたいだ

 メンフィスまでをバスで行き、
移動の間、しばし夢うつつにまどろむ
それから徒歩でクウイ家の墓へやっと辿りついた
おもむろに線香を焚き、まずは頭を垂れて御先祖さまへ合掌。
両手を組んだ柩のミイラたちへ
暫くホテル「マリオット」に滞在すると報告した

 黒い貴族のジャパニーズ育ち、
ヴェネツィアの海の眼に雑じったイエロー。
或いは、神秘を巡
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