花火大会の夜に/チアーヌ
 
ゃうんです。
そして・・・。彼氏がわたしに気がつきました。
そのときの彼氏の顔は。
正に、
「信じられないものを俺は見た」
ような顔でした。
目を見開き、何度もしげしげと。
わたしも同じように見ていました。
そして。
彼氏が、浴衣の女の子に、なにやら言ってます。で、すたすたとこちらに歩いてきました。
「帰ろう」
彼氏はこちらを見ないでいきなりそう言いました。そして、だだだっと素早く、先に立って歩き、わたしが来た方向へ戻るように、渋谷方面への車両に乗り込みました。
その、空いてること。
逆はめちゃくちゃ混んでましたけどね!こっちの車両はがら空きに近い空き具合。
でも・・・
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