山都/円谷一
はとても美しい横顔で色々な話を持ちかけた 花の蜜を集めて帰る時に倒れている姿を見かけ背中に背負ってマントを被せて なんとかバレないように山都に連れ帰ってきたこと 何度も神の母の名前を呼びながら高熱でうなされていたこと 眠っている間ずっと君が看病していてくれたこと 雨が降り続けたこと 目覚める昨日の夜に夢に出てきたことなど… 次から次へと尽きることのない話題で終始笑いっぱなしだった そして君にいつの間にか恋をしていた そのことを話の調子でつい喋ってしまうと 君は頬を赤らめて すごく嬉しい… 私も… と言いかけて口をつぐんだ どうしたの? と聞くと山都の生き物は 地上の生き物と愛し合ってはいけないとい
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